取り組んだ方々の声

体験談 HUくん(29歳・東京)

脳は更に変化した…その結果

仕事は以前よりできるようになってきていると思っていたが、実は一年前の作業所の面談で、他の利用者さんのことが気になり手元が止まり、集中して仕事ができないことがあるため、作業評価が下がったことを伝えられた。
息子の状態は良くなっていると感じていた私には予想外の評価だった。
良く観察をしてみると、自分の意志が出てきたので、単純作業に飽きてきたことが理由かもしれないと思えた。
ただ、どのような理由であるにせよ仕事は仕事なので、与えられた仕事をこなす必要があることを懇々と説明した。それで1ヵ月くらいは効果があったが、また同じ状況になった。
私は試行錯誤した結果、現状のサプリメントに不足していると思われた、DHA・フォスファチディルセリン(脳の思考回路の栄養素になる)のサプリメントを飲ませて様子を見ることにした。
その結果、想定外の効果が得られた。こだわりを少しコントロールできるようになっただけではなく、感情が豊かになった。具体的には、これまで注意されるとパニックのような反応を示していたが、そのような反応はなくなり、悔し涙を滲ませるようになった。

自閉症でこだわりが強い子は、忘れ物をしたり勘違いをしたりすることは、ほとんどない。また、そのこだわりを止めることができないのも自閉症の特徴だ。
ところが、あれだけ拘りが強く、忘れ物は息子は絶対にすることがなかった息子が、たまに忘れ物をするようになった。忘れるとか勘違いすることは、本人としては居心地が悪いようだが、私からみると「普通の人」になってきたように思える。
こだわりがなくなったわけではないが、あっても以前とは明らかに違う。時には、後から拘らなかったことを思い出してはイライラしたりすることがあるが、なにより「気にしなくていいこと」だと説明すると納得するとようになった。

今、息子は二十九歳、グループホームで生活している。時々は、些細なことにこだわってイライラすることがあるようだが、誰かに迷惑をかけることはない。自分の部屋に行き、イライラがおさまるまで座っていて落ち着くと部屋から出てくると、世話人から報告を受けた。以前なら、世話人から「パニック」と判断されていたが、自分でコントロールできるようななった今、それはもうパニックではない。
サプリメントも一人で管理して飲んでいる。サプリメントがなくなる前に私に「サプリ、後二個です」というふうに伝えてくる。
グループホームから作業所には自転車で通っている。小学生の頃、学校に送り迎えをしていたことを思うと、雲泥の差である。

月一回、好きな歌をピアノ伴奏で歌う活動をしている。息子なりに充実した日々を過ごしていると思う。仕事も徐々にステップアップしてきた。

メッセージ

現代社会は、息子が小さい時と比べてインターネットなどで情報を得ようと思えば格段に得やすくなっている。医学も教育も国の福祉施策も一昔とは比べものにならない程、前進している。チャレンジしようと思えば、できることは増えている。欲を言えば、息子が小さい時に今のサプリメント治療に取り組めたなら、今の息子はもっと違った人になっていたかもしれないと思う。
その経験から、できれば早めに遺伝子検査や有機酸検査を行い、治療や療育を行っていくと、より結果があると思う。すでに息子は成人しているが、それでも結果があり、これからまだまだ可能性はあると信じられる。

ところで、チャレンジしていくにはお金もかかる。私も優雅にやってきたわけではなく、息子が小学校高学年から、仕事をしている。親が働くことはプラス思考でいけば、世の中の動きに敏感だったり、社会の厳しさを知ったり、生きていく上での社会性が得られるので、結果として子供にも良い意味で反映できたのではないかと、私の家庭に関しては思う。

あきらめずに頑張って良かった

今、振り返ってみて、ポジティブ思考でやってきたことは、その当時は大変だったはずなのだが、不思議なことに辛い記憶はあまり思い浮かばない。むしろ、頑張った分、楽しかった記憶ばかりが思い出される。多分、そうして過ごしてきて、今がとても充実しているからだと思う。
今後の息子の目標はもっと仕事が出来るようになることである。自転車が好きな息子は余暇活動が広がり、自転車を買うために、「ちゃんと働く」とも言うようになった。健全なことだと思う。この頃は、働いてお金を貯めなければ、自転車も買えないし、旅行にもいけないということが、わかってきたようになった感じだ。
息子の脳の状態はもっと良くなるかもと希望が持てることは素直に嬉しく、ヤル気が湧いてくる。これからもまだまだあきらめず、邁進していこう! 

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