検査とアプローチ

食事療法

検査データに基づき、食事のアドバイスをします。

私たちの体の中には、私たちが食べたもの以外のものからつくられるものは何一つ存在しないということは、学問的に真実です。私たちの体は細部に至るまですべて、顕微鏡でしか見えない構造や、顕微鏡でも見えないほど小さな構造でさえ、食物として口から摂り入れた材料を用いて作らなければなりません。からだは食べ物次第で良くも悪くも作られます

ロジャー・ウイリアムス

取り組む前に知っておくこと

食生活の改善や食事療法に取り組む前に、知っておいていただきたいことは、投薬のように、すぐに効果が得られるものではないということです。
有害物質を排出したり、細胞が良い材料(栄養物質)を基に作られ、それにより機能が低下している組織が回復したり、正常な組織に入れ替わったりするには、長い時間がかかるからです。体の組織は相互に依存しながら、複雑に絡み合っています。それが改善するのですから、それなりの時間を要するわけです。
また、体は良きにつけ悪しきにつけ、恒常性を保っているので、最初は好転反応ともいわれる不愉快な症状が生じる可能性もあります。前進したと思ったら、後退することもしばしばです。ただし、薄皮を剥がすようなもどかしい速度ですが、細胞に良いことに取り組めば、ゆっくりでも必ず良い方に向かいます。

根気よく小さな進歩を見つける

食事療法に取り組んで行くと、必ず小さな前進がありますが、それを見過ごしてしまいがちです。
「便秘が改善された」「便の臭いが違ってきた」「食べ物のこだわりが少なくなって、食べるものの種類が増えてきた」「目が合うようになった」「落ち着いて座っている時間が長くなった」「ケラケラ理由なく笑わなくなった」「皮膚の乾燥が改善された」「皮膚がしっとりしてきた」「言葉が増えた」「文字がしっかりかけるようになってきた」など、いつも一緒にいると小さな前進に気がつかないことがありますが、小さな前進を少しずつ重ねながらゆっくりと良くなってゆきます。

腸や消化の問題が脳に及ぼす影響

発達障害の子供たちには、カンジダ菌など真菌の増殖、食物過敏といった消化器系に問題を抱えているケースが多くみられます。
問題は、腸の状態が脳の機能に悪影響を及ぼしているという事実です。
特にIgG抗体によっておきるアレルギーの食物過敏は、発達障害の子供たちには破壊的なダメージを与える可能性があります。

食物過敏の症状は、下痢、便秘、腹痛など腸の症状だけではなく、頭痛、鼻づまり、筋肉痛、疲労感など身体の症状、ケラケラ笑い出す、イライラ、攻撃性、無気力、注意力散漫、昂揚感、特定食品への強いこだわりなど精神の症状まで多岐に渡ります。
また、反応時間が数時間後から数日後と幅があり、食べたものがその原因であることに気づきにくい場合も多く、原因となる食べ物を摂り続けてしまいます。
食物過敏は腸の炎症を引き起こし、更に過敏症が高まる可能性があります。

健康診断では消化器系に何の問題もなく、便秘や下痢もなく正常な状態であっても、IgG食物アレルギー検査、ペプチド/有機酸検査結果をみると、特定の食物にアレルギー反応があったり、消化や腸内環境に問題があることがわかります。腸の改善をないがしろにしてアレルギー反応を起こす食物を摂取し続けると、腸が正常に機能することができなくなります。
特にIgG抗体は、胎盤を通して母体から胎児へと伝わる唯一の抗体です。また父親からの遺伝として受け継ぐ可能性もありますので、乳児が母乳や離乳食を与えた後に、機嫌が悪くなったり泣いたりすることが頻繁にあれば、IgG食物アレルギー検査を受けることをお勧めします。
また、今後妊娠を希望されるご両親は、予めIgG食物アレルギー検査をお受けになり、妊娠中・授乳中はその食品を徹底的に避けることをお勧めいたします。

食事療法の効果的な進め方

STEP.1

自覚症状だけでなく、各種検査(毛髪ミネラル検査、IgG食物アレルギー検査、遺伝子多型検査、ペプチド/有機酸検査など)を利用し、できるだけ正確に自分の体の問題点・改善点を確認する。

STEP.2

明らかに有害な食べ物、アレルギー反応がある食べ物を除去する。
有害な金属を含む調理器具・電子レンジの使用をやめる。

実施方法
  • 着色料、発色料、保存料、香料、酸化防止剤、乳化剤、蛋白質加水分解物、漂白剤、などの食品添加物、合成甘味料、トランス脂肪酸、農薬、遺伝子組み換え食品、抗生物質や環境ホルモンを含む養殖魚、抗生物質やホルモン剤まみれの食肉、大型魚などを除去する。
  • テフロン、アルミニウムなど有害重金属を使用した調理器具、電子レンジを使用しない。

STEP.3

アレルギー反応がない、蛋白質、炭水化物、脂質を摂取する。
食品は、できるだけオーガニックで、精製されていない物を選ぶ。

STEP.4

基本のサプリメンを摂取する。

  • 消化酵素(エンザイム)腸内細菌(プロバイオティクス)
  • オメガ3系の油(DHA/EPA)
  • マグネシウム、亜鉛、カルシウム(キレートされているもの)
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12+葉酸(メチル化されたもの)
  • ビタミンC(できるだけタイムリリース)

STEP.5

状態に合わせた、特定の食事療法を開始する。

基本となる食事療法
食事療法 特徴 利点・効果 欠点
CFCF 食事療法
(グルテン・カゼイン除去)
最初に取り組むべき食事療法で、厳密に行う必要がある。 実施者の65%に効果があり。
(アメリカ自閉症研究所の調査より)
消化酵素が全ての人々に有効なわけではない。
糖分の多い食品で代用さ れることが多い。
SCD 食事療法
(特定炭水化物)
カンジダ菌の繁殖、腸内細菌のアンバランス、腸内の炎症、慢性の下痢等に効果がある。
厳密に行う必要がある。
ハチミツや果物などカンジ ダ菌対策の食事で認められていない甘いものも許される。
実施者の66%に効果あり。
(アメリカ自閉症研究所の調査より)
食べ物にこだわる子どもには実施が困難。
ナッツのアレルギーがあると実施が難しい。
便秘の症状は改善、悪化の両方の可能性あり。
BED 食事療法
(ボディ・エコロジー)
イースト菌増殖への対応に効果がある。 包括的な食事療法で、イー スト菌治療に最適。
実施者の55%に効果あり。
(アメリカ自閉症研究所の調査より)
混乱を招く、理解しにくい原則がある。
WAP 食事療法
(ウェストン・A・プライス)
栄養と消化問題に対応。
ほとんどすべての人に 使用できる。
  高脂肪の食事が問題になる人もいる。

ジュリー・マシューズ「発達障害の子どもが変わる食事」(青春出版社) より

CFGF食事療法(カゼイン、グルテンの消化に問題がある場合)

実施方法
  • 小麦、ライ麦、大麦、オート麦、などの穀物に含まれる蛋白質のグルテン、牛乳と牛乳を原料にした乳製品に含まれる蛋白質のカゼイン、この2つの蛋白質を完全に除去した食事を摂る。

代わりになる食品
キビ、キヌア、玄米、そば、もち、ホワイトソルガム 、アーモンドミルク、ライスミルク、ココナッツミルクなど

SCD食事療法(小腸の粘膜に損傷があり穀物など炭水化物を消化できない場合)

実施方法
  • 単糖類以外の炭水化物を除去する。

食べて良い食品
肉、卵、ナチュラルチーズ(カゼイン付耐性がない場合)、自家製ヨーグルト(カゼイン付耐性がない場合)、白インゲン豆、レンズ豆、エンドウ豆、デンプン質以外の野菜、果物、ナッツ類、蜂蜜、スパイスなど

BED(ボディエコロジー)食事療法(カンジダ菌の増殖、臭いの酷いガス、消化器の不快感などがある場合)

実施方法
  • 砂糖と炭水化物の一部、カビやイースト菌を含んだ食品を除去。
  • 肉類、魚介類、砂糖、加工食品、米などの酸性食品を控え、主に根菜、野菜、果物、海藻、キノコ類などアルカリ性食品や発酵食品を摂る。

WAP(ウェストン・A・プライス)食事療法(特定の食材の制限をしないが、食物を消化しやすい状態で摂取することを重要視する)

実施方法
  • 卵、バター(TOPバター)、生の乳製品、牛肉、などの動物性蛋白質は、自然に近い環境で育てられたものに限る
  • オメガ3、ココナッツオイルなどの飽和脂肪酸を摂る
  • 穀物、豆類は調理前に長時間水に浸す
  • 魚・肉・野菜を煮出したスープなど栄養価の高い食品を摂る
  • 乳酸菌を含んだ食べ物を摂取する
  • 発酵食品を摂る

※添加物の入った食品、精製されたもの、加工食品は避ける

STEP.6

状態に合わせて、さらに効果を上げる栄養素を補給する。

アルファリポ酸、フォスファチジルセリン、フォスファチジルコリン、セレン、亜鉛、カルニチン、CoエンザイムQ10、グルタチオン、パントテン酸、ビタミンD、オキシトシン など

TEL.03-6455-9971

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