体験談 HUくん(29歳・東京)
自分自身が良きアドバイザーであり、主治医であること
最初に息子の体験を記し終えてから、早いもので3年の年月が経った。
その間、更に試行錯誤を重ね、また更に進歩があった。あれ程ダメだと思っていた息子の不明瞭な発音が、良くなってきた。最初はO医師に勧められた骨伝導イヤホンを使って、発音の練習をしたが、これには限界を感じた。
それでも、あきらめずに「どうにかならないか?」よく考え、とにかく遺伝子多型の検査結果を改めてじっくり読み込んだ。じっくり読みこんだことで、本当に理解し、活用することができるようになったと思う。また、インターネットでも更に情報を集めた。治療法もサプリメントも更に開発が進んでいるからだ。
そして息子の脳のどこの部分が悪く、何のサプリメントが必要なのかを自分なりに精査してみた。
とにかく、傍にいる親が把握しないと対処のしようがないし、身近にいる親だからこそ勘が働くことがある。その結果、息子の状況と遺伝子検査の結果、私の直感から判断し、SAM-eとグルコサミンと同時に摂ることにしてみた。
発声が悪いのは遺伝子多型の検査結果にもあるように聴力が良くないからで、そこを工夫してみようと考えた。この摂り方はをはじめ、何となく感触がえられたので、量を増やしてみたら更に効果が増した。事実、発音が良くなってきた。以前からグルコサミンは摂っていたが、IgGアレルギー検査をしたところ蟹に反応があったので、1年位前から蟹を利用したグルコサミンを止めて、植物由来のグルコサミンに変えたのも良い結果に繋がったと思う。
また、2年位前から、以前摂っていたフォスファチジルセリンからリポソーム型フォスファチジルコリンを摂るようにしてみた。これは驚くほど即効果があった。理解力が増し、会話力が増した。
半年前から、カナ・ラボのアドバイスで厳選された酵素を摂り入れるようにもしてみた。これは摂り入れているサプリの効果を増すようで、さらに良い感じがしている。
葉酸も合成ではなく天然のメチル化されたサプリメントを摂っている。葉酸の働きを知ると、明らかに息子にとっては不足していると判断したからだ。ただし、これも普通に販売されているメチル化されたものでは効果が薄い。
息子は更にオキシトシン受容体にも変異があったので、オキシトシンも少し摂っている。遺伝子多型検査結果と実際の状態を基にしての判断からだ。
誰もが同様ではないので、息子に最善と思われるサプリメントを選び、その量や飲むタイミングをいろいろ試してみて、ベストなやり方を決めている。そんな試行錯誤の結果、現在の息子にとって、最適なサプリメントの利用の型が定着しつつある。
いわば、息子の「オリジナルサプリメント療法」になっている。
実は、今年の2月、息子の状態はかなり良くなり、とても喜んでいた。イライラ感がなく落ち着いて、仕事でも集中力があり、グループホームでも世話人に言われなくても、自らテキパキ動き、支度がスムーズだった。
ところが、そんな奇跡的な絶好調に喜んでいたのも束の間、息子は風邪をひき風邪薬を飲ませた途端、薬の影響から腸の状態が悪くなり、更に追い打ちをかける様に、食あたり。腸がダメージをうけて、2週間ほど体調を崩してしまったのだ。その結果、絶好調だった状態から後退してしまった。そのことで、腸の状態がいかに脳に作用するかが良くわかった。
一瞬気落ちしたが、また気を取り直してコツコツ始めたら、思ったよりは息子の状態は悪化せずに回復した。これまでしっかり摂取してきたサプリメントは、息子の脳や体の回復力にも変化をもたらしたこともわかった。
このようなアクシデントがあっても、息子の脳は格段に良くなっている。自分でイライラ感を更にコントロールできるようになってきている。何より、イライラ感が減ってきているようにも思える。こだわりは、まだあるので同じ会話をすることも多いが、それでも時々びっくりするような高度な言葉が出てきたり、私と普通に会話が成立していて、後で私自身が驚くこともある。助詞もかなり的確に使えるようになり、もちろん言語数は確実に増えた。休日はスーパーに私と一緒に買い物に行くが、以前は外出すると身構えていたのが嘘のように、とても穏やかだ。
今は、(株)カナ・ラボの古澤さんからのアドバイスだけではなく、自分でかなり調べている。逆に、息子で試してその情報を古澤さんに提供することも多々ある。
個人差はあっても色々な情報を共有することはとても大切だと思っている。その情報がまた、誰かの役に立つ可能性もあるからだ。
遺伝子多型検査を受け、サプリメント療法を取組み始めたばかりの頃、「身近にいる母親自身が、良きアドバイザーに、そして主治医になってゆく必要がある」と古澤さんに言われたが、本当にそう思う。
実際に傍にいる親が把握すればスムースに対処できる。身近にいる親だからこそ勘が働くことがある。学ぶことはたくさんあったが、やっと今そうなれつつあると思う。
もちろん、必要な時は一人で抱えることなく、信頼できる人に頼ればよいと思う。必要に応じて依頼すればよいと思う。例えば私は、サプリメントはカナ・ラボでお世話になることが多い。種類が多い中で、本当に高品質のサプリメントを入手することはそう簡単ではないからだ。やはり内容的にも価格的にも信頼できるサプリメントを使いたい。
気長にコツコツと
今の感じで、コツコツやっていくと、もしかしたら、予想を超えた絶好調の時が訪れるかもしれない。そして、それが続けばいいなあと思うが、あまり期待すると私のほうが焦りだしてしまうので、少しずつという気持ちでいる位がいいと自分に言い聞かせている。
振り返ってみれば、良くなってきているのは確実なのだから、これからも気長に取り組んでいくつもりだ。
平成二十八年七月一日