体験談 RTくん(22歳・東京)
今、そしてこれから
今はサプリメントの力を借りながら、息子は、とても落ち着いて、穏やかに楽しく生活をしています。
今はもうパニックになることもありません。
通信制の高校にはいるころフォイヤーシュタインという認知開発のメソッドに出会い、学習を通して先生とやり取りすることを繰り返すうちに、ずいぶんと言葉が増えました。
複雑な事は話せませんが、意思の疎通はできるようになっていると思います。
今は私もそのメソッドを学び、教えることを始める予定です。
日常生活は家事も良く手伝ってくれて、ごく普通に生活をしています。
絵を描くことが好きで、それが自分を表現するツールになっています。
絵画の先生と一緒に個展も開きました。
息子なりの豊かな人生が、これからも広がっていくことを心から願っています。
20年前子供の障害が分かった時に
『弟子の準備ができた時、師匠が現れる』
ということわざが、ふと浮かんだのですが、ずっとそれが気にかかっていました。
最近その意味をやっと理解しています。
世の中には、特に大変な事を経験しなくても、弱い立場の人への思いやりの心を持った人や、思いやりの行動がとれる人、謙虚さや感謝の気持ちを持てる人がいます。
私は今でも人並みとは思いませんが、この経験がなかったら本当に未熟なままだっただろうと思うと、少し怖い気がするくらいです。
なので、子供は師匠として私に色々な事に気づきなさいと私のところに来てくれたということなのではないかなと思っているのです。